800万人を超える無年金者・低年金者
 いま、65歳以上で無年金者の人が93万人もいると推計されています。
 国民年金に未加入の人、加入にしていても保険料が払えないで将来無年金者になると思われる人、国民年金の保険料を免除されている人で、国民年金の国庫負担分(月2万余円)しかもらえない人、つまり、現在および将来にわたって、無年金者や低年金者は800万人を越えると推計されています。(表1)
 これは、年金制度の空洞化であるとして社会問題となっていますが、その数は、年々増え続けています。
 保険料の大幅引き上げや年金額の引き下げは、年金制度の空洞化を拡大し、国民皆年金制度を一層突き崩すことになります。
 94年の改悪で、国民年金の最終保険料を2020年に、月2万1700円まで引き上げるとしました。しかし、厚生省は、基礎年金の国庫負担を現在の3分の1から2分の1に引き上げれば、国民年金保険料を、月7000円に引き下げることができると試算しています。
 高齢化社会に向かって公的年金を安定的に運用していくためには、国の予算の重点的な配分、無駄な公共事業費の圧縮、不公平税制の是正などによって財源を確保して、消費税に頼らず、国庫負担を増額することこそ急務です。
年金だけでは生活できない 引き下げなどとんでもない
 老齢年金の受給者は1900万人います。そのうちの6割を占める国民年金は、月平均4万4000円余りにすぎません。厚生年金は17万円、共済年金は21万9000円です。(表2)
 しかし、各制度とも、受給者の約6割の人は平均以下の低い年金です。また、厚生年金の男女格差は著しく、女性の月額平均は男性の約半分です。
 総務庁の調査でも、高齢・無職二人世帯の生活費は、月25万円(95年度家計調査年報)かかっています。大半の年金生活者は、年金だけでは暮らしていけない厳しい生活を強いられています。
 年金の物価スライドも据え置かれ、加えて消費税の引き上げ、医者に行くのもあきらめなければならないほどの医療費の負担増、そして超低金利という高齢者いじめのなかで、追い打ちをかけるような年金引き下げなどとんでもありません。


(表1)厚生省による無年金者・低年金者の推計
  
人  数
備  考
1. 65歳以上の無年金者

90万人

ずうっと無年金者
2. 国民年金(第1号被保険者対象)未加入者 192万人 将来無年金者となる
3. 国民年金の保険料を納められない人 172万人 保険料納付・免除期間が25年に達しなければ無年金者になる
4. 国民年金保険料免除者 358万人 月2万円程度の年金(国庫負担相当分)しかもらえない

812万人

  

年金の種類
受給者数
平均年金月額
国民年金
13,275千人
約45,000円
厚生年金
7,698千人
約170,000円
共済年金
2,472千人
約219,000円
(表2)老齢年金受給者数と1人当たり平均年金月額